連作『凪の砦』のこれまで
『凪の砦』総収編は、2016年、烏丸ストロークロックと庭ヶ月が京都でそれぞれ上演した、三ツ山養生所をめぐる短編劇5作品を加筆、再編し、一つの長編劇へと集成する総収編です。約1年をかけて上演してきましたこれらの作品をご紹介します。
-庭ヶ月公演-
凪の砦① 「逝くにいたる村」
凪の砦② 「六つの川の街の白」
2016年3月26〜28日 東山青少年活動センター(京都) 作/庭ヶ月 演出/柳沼昭徳
(作品紹介)
未明に急逝した宮間さんの出棺を終えたスタッフたち。それぞれが故人との想い出を語る中で徐々に見えていく人物像、その背景にある日本の戦中戦後、そして高度成長。「三ツ山養生所」は、身寄りのない人びとが都会を離れ、人里離れた山中で穏やかに死を待つための施設だった。
-烏丸ストロークロック公演-
凪の砦③ 「還る浜は凪がず」
2016年4月22〜24日 アトリエ劇研(京都) 作・演出/柳沼昭徳
(作品紹介)
慢性的な経営難の養生所。所長夫妻は脱会した新興宗教団体への寄進を拒めない。かつて、信者勧誘のため、東日本大震災の被災地に訪れた二人は、ある独居老人と出会い、それはやがて養生所の設立へと繋がっていく。
-庭ヶ月公演-
凪の砦④ 「ぬめる祠に寄る辺なく」
凪の砦⑤ 「戸を揺らすもの」
2016年9月17・18日 東山青少年活動センター(京都) 作/庭ヶ月 演出/柳沼昭徳
(作品紹介)
利用者と同じく、それぞれの理由から家族と離れ三ツ山に暮らすスタッフたちの群像。三ツ山の山中にある、不吉な伝承を持つ祠と、日本にやってきた移民の入所者を看取るエピソードを、死生観の違いや日本の異人論を交えつつ、未来の日本を予見していく。
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