『まほろばの景2020』開幕直前!演出・柳沼昭徳メッセージ
皆さまご無沙汰しております。柳沼です。1月20日は暦では大寒ながら、今年の京都は雪の降らない比較的穏やかな日々が続いています。
さて、すでにご承知いただいているかとは思いますが『まほろばの景2020』が今週末より兵庫県伊丹市のアイホール公演を皮切りに東京、三重、広島と久しぶりの長丁場ツアーがはじまろうとしています。そんな劇場入りを目前にひかえた稽古場はというと、稽古本番前の緊張感がぴーんと漂いつつも、昨日より今日、今日より明日。シーンの作り込みを経て、現在、作品通しての繋がりや流れを細かく調整する日々が続いています。
今回の『まほろばの景2020』。新聞・雑誌・WEBなどメディアで取り上げていただく中で、当然ながら初演とどのくらい変わるのかと質問されるのですが、この1年ほど取り組んできた神楽の研究と実践を目的とした『祝・祝日』という作品の流れを汲んで、新しいシーン、新しいビジュアル、新しい音楽といった表層的な変更を半分強ほど施しました。それにともなって出ずっぱりの俳優たちのタスクも前回より2倍近くに増えていますから、初演をご覧の皆さまが、その違いをはっきりと感じていただけることと思います。
それ以上に、今回の作品では、内在する文脈の変更、具体的に言うと作品をご覧になった皆さんが「持って帰っていただくコト」への変更を施したこともお伝えしておきます。
あまり語ってしまうと、面白くなくなってしまうので奥歯に挟まったような物言いになってはしまうのですが、東日本大震災を起点にした初演が、個としての人間の限界を描いたものだったとして、そこから2年、政治や社会の不全が進行し続けていくなかで、日々を健やかに過ごすために、非日常空間の劇場空間で何を起こせばいいかを私たちなりに考えてきたら兆しが見えた。それがこの『まほろばの景2020』という作品となります。
最後になりましたが、伊丹アイホールでの公演の初日に予定しておりますアフタートークですが、メンバーと相談して、一方的にトークを話して聞くという時間より、劇場ロビーでの出演者を交えた座談会形式にて、お客さまとも双方にお話しのできる交流のある時間を取ろうということになりました。よろしければどうかお残りいただいて、時間の許す限りお話をさせていただきたいと考えております。この日に限らず、劇場におります。皆さまとお会いできることを楽しみに、お待ちしております。
烏丸ストロークロック代表 柳沼昭徳
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